高校生のソーシャル・ビジネス:宇部高校SGコースのフェアトレード


3月23日、山口県立宇部高校の1年生4名が研究室訪問にやってきました。

宇部高校はSGH(スーパーグローバルハイスクール)の指定校で、その研究活動のひとつとしてフェアトレード商品の開発と販売をおこなっています。今回は、東京での国内実践の一環として4名の生徒が早稲田大学に来校し、ポスター発表をおこなってくれました。



宇部高校の生徒のみなさん



フェアトレード3Wクッキー


非常に美味しかったです


宇部高校では、スリランカで生産されたフェアトレードの紅茶を原料にした3Wクッキーを開発し、イベントや店頭での販売をおこなっています。3Wという商品名は近江商人の「三方良し」に由来しているとのこと。地域のNPOと連携し、国際貢献と同時に地域貢献を目指した事業を展開しています。地元の新 聞でも取り上げられていますね。

http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2016/0305/8p.html


研究グループでは、これからはさらなる認知拡大と販路拡大を目指しています。そのためには地域での連携を広げ、様々なショップや施設に商品を置いてもらうという地道な取り組みが一番大事になってくるでしょう。


ただ、「イベントでの一時的な販売」と「店頭での継続的な販売」の間には大きな壁もあると思います。今のところ滑り出しは好調だということですが、3年後や5年後さらにはその先も視野に入れるならば、3Wブランドの確立と多様なメディアを通じた宣伝といった中長期的な計画も必要になってくるでしょう。


その意味では、これから生徒たちが進めようとしている店頭ポップ作りも大事な試みであることは確かですが、「宇部高3Wproject」などのような独自のHPを生徒自身で作ってみたり、Twitterアカウントを設けてみるのもいいのではないでしょうか。学校としては生徒たちのインターネットの活用には慎重のようですが(その気持ちは痛いほどわかりますし、何より先生方による管理が大変なのですが・・・)、インターネットはソーシャル・ビジネスの最大の武 器だったりもするので、是非とも今後の研究活動に積極的に活用して頂ければと思います。


それにしても、社会運動がビジネス的におこなわれるという感覚は、今の高校生たちには当然のようにしてあるようです。僕が「一昔前は、社会運動とビジネスは真逆のものだと考えられてたんだよ」と言うと驚いていました。この新しい社会感覚を持った世代が、これからの時代を作っていくのでしょう。僕も応援していきたいと思います。










3Wクッキーは、紅茶の香り高く甘さも丁度よい上品な味わいでした。フェアトレードとは知らなかったとしても買いたくなるような美味しいお菓子です。ネット販売などで購入できるようになれば、遠隔地からのお取り寄せも可能になりますね。






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