徳島の現在(1):徳島市東新町商店街

今週は徳島に行ってきました。
初めての四国です。
小さい頃、瀬戸大橋ができた頃に家族旅行で渡ったらしいですけど、覚えてません。
なので実質的に「初」です。

目的は創造的過疎を掲げて地域振興を進める神山町への訪問。
初日は到着時間も早かったので、まずは県庁所在地の徳島市に寄りました。



徳島駅前


徳島市は人口26万人。県の中心都市としては比較的小規模なサイズ。
交通の面でも文化の面でも昔から関西圏とのつながりが深いとのこと。
四国の他の県よりも神戸、大阪の方が心的距離が近いらしいです。

地方都市ではよく見られるように、ここも基本的に車社会。
中心市外は道も比較的広く、都市の規模の割に交通量が多く感じられました。
それにしても、徳島人の運転が独特で・・・
東京近郊だと考えられないような車の動きにとても戸惑いました。

と車を降りて向かったのは、中心商業地区の東新町商店街。
駅から徒歩5分ほど歩いたところにあるアーケードを中心とした商店街です。



徳島市の東新町商店街の位置


最初に目に付いたのは、この看板。



東新町商店街の入り口付近の看板


徳島はオタクの街として有名ですね。
2000年代中頃には既にそのイメージはあったけど。
最近は地域振興にも使われているらしいです。
ちなみに商店街の入り口にあるのはanimateです。



街中のポスター

中心繁華街新町、正確には西新町商店街と東新町商店街を合わせた街区。
正直に言うと、想像していた以上に寂れていました。
アーケード街の並びの最初からシャッター、その先もシャッター・・・。
南に進めば進むほど酷くなります。







東新町商店街


いやいや、きっと水曜だから休業日のお店が多いだけでしょ。
と思ってお店の方に尋ねてみたけど、そういうわけでもないらしい。
閉店ラッシュが相次ぎ、シャッターのほとんどは空き店舗。
話を聞くと、やはり郊外のショッピングセンターにみんな行くのだとか。
駅ビルが立派だったので(スタバ入店!)、きっと若い人は駅中で済ませるのでしょう。
平日の昼間とはいえ、メインストリートのアーケードがこれとは。
数多くの地方都市を見てきたけど、県庁所在地都市ではトップクラスのシャッター街。
他の県の中心都市はなんだかんだ言っても、それなりに栄えているものですが・・・。

ちなみに調べてみると、愛媛大学の学生さんたちが研究してるみたいです。
演習の調査報告書って大事ですね。とても勉強になります。
僕の授業でもちゃんとしたもの作ってPDF化してwebにアップしないと・・・

堀内祐介・石原幹也, 2014,「徳島市における中心商店街の変遷と課題」『2013年度地域文化実験演習A(徳島巡検)報告書』愛媛大学法文学部地理学教室, pp.1-12.



東新町商店街における歩行者通行量の推移(1984~2012 年)
※午前 10 時から午後 7 時に通行する 15 歳以上の男女(自転車,バイクを押して歩く人を含む) (出典:上記の報告書)


30年前は平日1万人、休日2万人歩いていた街が今では2000人未満。
一番変化があるのが80年代〜90年代なので、シャッター街化は今にはじまったことじゃないみたいですね。
ちなみに報告書によると「この原因としては丸新百貨店とダイエー徳島店の閉店、郊外への大型店の立地が指摘される」(上記報告書p.8)とのこと。

うーん、商店街も努力してるとは思うんだけどね。
さすがにすぐにはいい処方箋はないか。
報告書でも「現在、中心商店街の周辺では上述してきたさまざまなイベントが開催されているものの、商店街の売り上げにつながっていない」(上記報告書p.10)とのこと。

地域興しだとか商店街活性化だとか、昨今は盛んに言われてますけど。
また休日2万人が来る繁華街になるためには、徳島という都市そのものの根本的なテコ入れが必要でしょう。
地方の現実は厳しい。
とはいえ地道な努力が無意味という意味ではけっしてないと思うし、それを続けていくしかないと思いますが。





サンタが100人やってくる!?
クリスマスのイベント、盛り上がることを期待しています!
次回は2日目、神山町での滞在についてレポートします。