アースデー東京2013にて考えたこと

4月も半ばを過ぎようとし、季節もようやく春っぽくなってきた・・・
かと思いきやの4月21日の日曜日、気温は9度と冬へ逆戻り。
もう秋までは使わないだろうと思ってしまったコートを取り出しました。

さて、毎年この時期は代々木公園で「アースデー」という催しものがおこなわれておりまして、
研究・観察(調査というほどでもない)を兼ねて3年ぶりに足を運んでみました。

代々木公園について見ると、
思った以上に人がいっぱいで正直驚きました。



3年前に来たときはもっと閑散としていたのに、
この日は時間帯によっては人ごみで前に進むが困難なほど。
この3年間で、アースデーの動員数はまた伸びたのではないのでしょうか。

ところで「アースデー」というのは文字通り「地球の日」のことで、
1970年代アメリカで自然環境の保護のために設けられた日です。
アースデーは、学生運動・市民運動の流れで普及してきたということもあり、
はじまった当初はそういった色合いが濃い目の催しだったそうです。
ただ最近はそうした色も薄れて、環境フェスティバルという感じの野外マーケットになっていますね。
私の個人的な好みとしては、運動色の薄いマイルドなお祭りの方が
みんなが足を運びやすくていいのではないかと思いますけど。

でも、やっぱり出店しているのは、従来からの運動系のひとたちが多いみたいですね。
たとえば、私が論文でも書いているオルター・トレード・ジャパン(ATJ)のバランゴンバナナなんかも 売ってましたよ。

バランゴンバナナの輸入はフィリピンの貧しい労働者を支援するためにはじまったもの。
公正な対価を支払うという意味では広い意味でのフェアトレードです。
今でこそ栽培事業ですけど、事業の始まった1980年代後半は、ほとんど資金がない中で、活動家が現地の生産者を組織して山奥までわけ入って採取していたそうですよ。

この運動を始めたのは学生運動の後も活動を展開してきた非共産党系左派の人たち。
こういう人たちって思い切った行動力があるからすごい。
ちなみにこのバナナを販売してるのも生活クラブとかグリーンコープとか、やっぱりそういう系のところです。

バナナはと言えば甘みがあって実もしっかりしています。
ごちそうさまです。おいしく頂きました!


一方、アースデーに集まったお客さんたちは多様でひとくくりにはできない。
もちろんぱっと見ただけで何かがわかるわけではないけれども、
「私、運動家ですっ!」って感じの人はあんまりいなかったですかね。
どちらかと言えば、エコでエスニックな雰囲気が好きそうなおしゃれな女の子が目立ちました。
<アース・ミュージック・エコロジー>とか好きそうな。
こういうタイプの人たちって、服装とか食事とかいわゆる自然派なんだけど、
インタビューしてると決まって「やっぱり楽しいというのが一番大事っ!」て言いますね。
禁欲とか社会的抵抗とか、そういうのじゃないんですよ。
むしろこういうタイプの人たちは禁欲とか社会的抵抗とかあんまり好きじゃない傾向にあるかな。
大事なのは自分自身のエコでおしゃれなライフスタイルの追求ってところですよね。
もちろんそれは個人的な欲求の追求なんだけれど、それが必ずしも利他とか社会貢献とかとバッティングしているわけではない、というところが面白いのではないかと思います。


まあ全体的に、3年前よりもアースデー自体がおしゃれな雰囲気になってるように感じました。
積極的に集まった人達の大半は、どちらかというと自分のライフスタイルに関心があるのであって、
少なくとも運動とかそいうのに関心があるから来ているわけではないでしょう。
でも 、エコとかエシカルな事柄には関心を持って真剣に考えている人も多いイメージがあります。
(まあ、エコ・エシカルについて考えること自体がひとつのファッションになってる感もありますけど)
ただ、いわゆる組織的な運動にコミットするわけではないといういわば「マジメ×おしゃれ層」と考えればいいんでしょうかね?

ということは、そこで起きてる現象は次のうちのどっちで理解すればいいんでしょうね。

1.左派層のおしゃれ化・消費者化
2.エコ・エシカル層の脱左派化あるいは非左派化

ここでは左派という言葉自体はまったく定義されてないので、
ろくな問題設定・仮説じゃないんですけどね。
まあ、そこはブログならではのご愛嬌で。
もちろん両方の理解可能性はありますけど、個人的には最近は2番の仮説で考えてます。
誰かに「今はそういう左とか右とかそういう時代じゃないっ!」って否定されてそうですけどね。
まあそれが正確だろうけれど。
歴史的に背負われてきた文脈のなかでエコとかエシカルとかの現在のモードの位置づけを考えることも重要なのではないかと思ったりします。
もちろんその軸に埋め込んじゃうことで、見えなくなってしまう部分もありますけどね。
あくまでひとつの枠組みとして。



最後は、鴨川自然王国のお米(3合500円!)とPeople Treeのコーヒーを買って帰りました。

5月には世界フェアトレード・デーもあるので、観察(調査というほどのものでもない)してきたいと思います。

それでは。











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